鳥取大学 地(知)の拠点大学による地方創生推進室

 平成28年度活動報告⑨ 地域志向教育研究経費《地域課題研究A(調査型)》

鳥取大学では、平成25年度から「地(知)の拠点整備事業・地域志向教育研究経費」として、大学全体の地域志向を踏まえ、教育・研究・社会貢献活動を改善する取り組み・活動を行っている教員への支援を行い、人口減少・高齢化が進む過疎地域や中山間地域を対象に、持続可能な地域づくりのための教育研究活動を進めています。さらに、平成27年度からは「地(知)の拠点整備事業・地域志向教育研究経費」に、【実践教育活動経費】【地域課題研究A(調査型)】【地域課題研究C(発展型)】の3つの区分を設け、多くの研究者による地域の課題解決を目指した取組を実施しています。
ここでは、平成28年度に取り組んだ地域課題研究A(調査型)での活動についてご紹介します。

●研究名称/氷ノ山天然水のブランディングの可能性について
●代表者/馬場芳
●部局名/地域学部
●連携自治体/若桜町(若桜町役場 産業観光課)

【研究概要】
 本研究においては、氷ノ山の標高1,100メートルから湧き出るシリカ含有量の高い天然水の活用方法であり、単なるブランド化によらない活用策と水ビジネスの可能性を追求することを目的としています。300万年の歴史ある名水は、氷ノ山スキー場のゴロゴロ山から湧き出る、年間をとおして水温6℃、1分間に5トンの絶え間ない湧出量です。多数の沢からなる水量未知数の水源であり、古来より農業用水や家庭での飲料水として使用されてきましたが、貴重な水資源としての価値付けや情報発信には至っていません。本調査では、飲用水を客観的な指標により評価するために、水質特性を解析する手法である「ヘキサダイアグラム」と「トリリニアダイアグラム」を用いて、おいしい水指標、健康によい水指標で水質をカテゴライズしています。ヘキサダイアグラムにより、その形状から水質組成や傾向を、また大きさから溶存イオン濃度構成比率の特性を視覚的に判定し地下水としての分類を行いました。その結果を、「おいしい水の目安」「おいしい水の水質要件」や他の水質データの平均値と比較検討をし、また国内水市場の中での氷ノ山天然水についての評価を行いました。

研究成果

 分析の結果、氷ノ山の水の硬度は13の軟水で、pHは7.5の弱アルカリ性でした。おいしい水指標と健康な水指標を用いて分析すると、OI≧2.0、KI<5.2より「おいしい水」に分類することができました。おいしくない成分のSO42-、Mg2+は少ないことが分りました。そのためOI値が高くなったと考えられます。また、分析した水は全て弱アルカリ性を示し、長寿と呼ばれる地域の地質と飲料水の成分分析は飲料水のpH値が6.8よりアルカリ性側に傾く地域に多いように、長く飲み続けるには健康に良いと思われます。この結果は、国産ペットボトルと同じくおいしい水の水質要件にあてはまることを意味します。また硬度が13と低く、非常に飲みやすい水であるとともに和風だしなどの素材を引き出すことにも適していると判断しました。震災・原発事故後は、常備用としての需要も伸びており、一般消費者を対象にしたアンケートでは美容成分に対する需要が高いという結果になりました。生活用水としての性質上、保全・循環と同時に衛生面やボトル化の構想として、「万葉の田舎と雪を用いたふるさとの常備水」を想定して調査を進める予定としています。

 

平成28年度 地域志向教育研究事業 成果報告書(p22ー23)

 

氷ノ山氷ノ越コース登山口付近での調査


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